空き家税の導入による税制の改正に乗り出した京都市
京都市は、景観保全のための建物の高さや容積率の規制を、JR京都駅南側など市南部を中心に緩和する方針との報道がある一方で、全国の自治体で初めて「空き家税」を創設することになりました。
空き家税の正式名称は「非居住住宅利活用促進税」で、自治体が独自に課す法定外税となります。
参考:Yahooニュース
「税額4倍」の大増税プラン▶︎
空き家税の改正はいつから?
空き家税の導入による税制改正は、既に2022年3月、京都市議会で可決されていましたが、法定外税のため総務大臣の同意を得た後、2026年度以降に導入される見込みとなっています。
京都市ではこれまでの景観保持のための建物の高さ制限や容積率の制限などにより、住宅が不足しており、規制の影響などで市中心部の住宅価格が高騰し、オフィスも不足。子育て世代や企業の市外流出が課題になっていました。
課税を避けるための売却・賃貸を促進させ、住宅やオフィスなどの供給増につなげる狙いがあります。空き家のほか、日常的な居住者がいない別荘・別宅も対象となります。
固定資産税などの税収が上がることで、財政難の京都市にとっては税収増にもつながると期待があるようです。
空き家税の金額はいくらなのか
空き家の所有者は、固定資産税に加えて「空き家税」を納める必要があり、税負担は1.5倍程度となる見込みです。評価額が低い家屋や、保全が必要な京町家などは非課税となるようです。
京都市が試算した空き家税の年額は、物置として利用している築40年のマンション(60平方メートル)で約2万4000円。中心部にある築5年の高層マンション最上階(100平方メートル)を、別荘として年数回利用する程度だと約93万9000円にのぼります。
空き家税だけでこれだけかかるのであれば、固定資産税と都市計画税を加えると、毎年法外な税金がかかってしまうことになります。
空き家の固定資産税が6倍に?
空き家をずっと放置し、保安上危険であったり衛生面や景観上も不適切な管理状態であると「特定空家」に指定されてしまいます。
空き家の固定資産税が6倍になってしまう時期は、「特定空家」に指定された翌年からです。行政の指導に基づき空き家を改善すると「特定空家」の解除をしてもらえます。
また、特定空き家に指定されると、固定資産税だけでなく都市計画税も3倍となります。
空き家を更地にした場合の固定資産税
空き家を更地にした場合は、市区町村によって異なる都市計画税の税率や、土地の広さや諸条件によっても異なりますが、住宅を取り壊しても概ね3~4倍程度上がるのが一般的です。
空き家や土地をそのまま放置しておくことが、いかに得策でないかがわかりますね。
まとめ:空き家税は対岸の火事ではない
空き家税の導入による税制改正によって、SNS上でも物議を醸していますが、これは京都市のみにとどまることではないかもしれません。
仮にこれが全国的に行われたとして長い目で見ると、都市部への若者流出による地方の過疎化を軽減し、空き家対策として再利用や活用をしていくことで、地方の活性化へと繋がっていくのであれば、良い面もあるかもしれません。
ですが、空き家問題は個々の事情がある中で、一筋縄で解決できるものでもありません。
空き家税という増税が全国的に広がると、私たちの生活にダイレクトに影響してきます。
空き家対策や節税対策をして、早期に有効活用していけると良いですね。
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